放 
た 
れ 
た 
る 
闇 
の 
翼 

父さんに、久しぶりにあった…
いろいろ、言いたいこともあった…意外すぎて…言葉が見付からなくて…
たわいもないことを話して…俺は…そのまま、バルコニーに残った…
考えごとしているところなんて…みんなに見せられないから…。

 カ…イ…カイ…カイ…
…帰ってきた…カイが、戻ってきた…俺の元へ…
去り際の笑顔で、きっと帰ってきてくれると信じてたけど

でも、寂しかった…。

「カイ…」

 ぎゅって、抱きついて…存在を確かめた。

「木ノ宮…すま…」

 その言葉は、続かなかった…
タカオが、聞きたくないとばかりに…手で、カイの口を塞いで…。

「もう、いいから…」

 謝ってほしくなんかなかった…帰ってきてくれただけでよかった
それだけで…。

「充分だから…」

 カイが帰ってきてくれだけで、それだけで、俺は…嬉しいから…
幸せだから…離れる辛さを知ったから…側にいられて幸せだから。

「…木ノ宮」

 あまり、表情に出ないカイが…少しだけ、眉を寄せて…
少し、困ったように…低く呟いて…。

「…カイ…俺、俺…」

 切なげな瞳で、カイを見つめてタカオは…。

「なんだ…?」

 極力、優しく問いかけて…。

「俺、カイのこと…好きだ」

 いいそこねた言葉、言わなかったことを…後悔して…後悔することしかできなくて
ただ、苦しかった…だから…だから、伝えるって決めたんだ…
カイが、いないことがあんなに辛くて…あの思いに気付いて…
だから…伝えなきゃいけないんだ…。

「!?…木…ノ宮…」

 驚いたように、カイは目を見開いて…。

「…ごめん…気持ち、悪いよな…」

 そう言って、タカオが、去ろうとすれば。

腕を掴まれて、強引に…引き戻された…。

「いつも…そうやって…貴様は…」

 そう言って、カイはタカオを抱きしめた…。
好きだと言われて…はじめて、気がついた…自分が、今まで木ノ宮に抱いていた
強い、名の付けようのない感情は…恋だったのだと…。
だから、勝ちたかった…自分が、こいつを守ってやれると思いたかった。

「俺の…俺の気持ちまで…勝手に……」

 答えのでない…おもいじゃないのは、最初からきっと…わかっていた…
ただ、知りたくなかった…ライバルじゃない仲間でも友達とも違う…
俺という存在で…俺を見て欲しかった…。

「カイ…」

 涙が、零れた…頬から、伝って…地面に吸い込まれて消えた…。

「…タ…カ…オ……」

 続く、言葉はなかった…
見つめ合って…交わす言葉もなく…瞳を閉じて…
口付けあったから…。

俺が、ただカイを思って…泣いてた…            
俺がタカオを思っていた…

捨てられたような気がして涙が止まらなかった 
強いはずのあいつが、涙をこぼして

側にいたいと思った                      
笑顔でいて欲しいと思った

振り払われた手が痛かった…          
自ら振り払って…けど、あの暖かさが

気付いて欲しかった                           
本当は欲しかった

気付いて欲しくないとも思った…だから    
そんな思いは弱さだと思った…だから

簡単に負けたくなかった                   
負けたままではいられない

好きなのかわからなかった                   
嫌いなんだと思っていた

ただ 一緒にいるのがあたりまえすぎて             
あいつが俺に構うから

いつも 冷たくされてたのに                   
心の中に入ってくるから

心の中を勝手に占めていって                     
だから、突き放した

裏切られた…失った…                     
自ら捨てた…それなのに

誰かがいなくなるのは苦手                
何かがなくなることに慣れても

壊れてしまいそうになるから                    
それは、壊れてるだけ

だから、取り戻す                  
だから、気付かないふりをしてきたけど

いつだって                                     
いつだって

あいつが…助けてくれた…俺を            
あいつは必要としてくれた…俺を

信じたい…                          
だから、もっと強く…なりたい

「不安だった…」
帰ってきてくれないんじゃないかって…
「強くなりたかった」
もっと、必要とされるように…
「でも、信じてた…」
好きだから…
「あぁ…」
俺もだ…


強くなりたかった…守りたかった…
側にいて欲しかった…好きだから…信じてた…

これからも 側にいさせて…
これからも 側にいてくれ…

                                    エンド

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自分では、あほだと思います…
ええ、おいらのカイタカはこんなにラブラブじゃないです…
流石に、このシリーズは…もう、書くの…無理っぽいです…。
すみません…。

実力のなさに涙です…まあ、いつものことですが…
今回は、詩が中心っぽいですね…
あの、バルコニーシーンで…カイ様に来て欲しかったという
妄想から…ははι

 

 

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