放たれる言葉はいつも…冷たくて、優しくはなかったけど。
それでも、信じていたかった…簡単に、離れてしまえるほど…俺達の絆は弱くなんかないと
信じて…信じていたかったんだ。

「カ…イ…」

 名前を呼ぶことさえ、出来ないくらい…遠くへ…何がそんなに、お前を変えてしまった?

『もっとだ、もっと…強く…』

 あの…冷たい、冷めた目とも違う…闇に似た、瞳だった。

「強くなりたい…」

 強くなりたい…強くなりたいよ…
こんな風に、あっさりと捨てられてしまうようなモノなら…
忘れられないくらい…強い力が欲しい。

 わかるから…でも、なんだか…
ブラックドランザー…あいつの強さは、わかった…怖いくらいに…
だから、カイを止められないなんて嫌だった。

『完膚無きまでに…破壊し尽くす』

 昏い瞳…昏い笑み…カイが、怖かった…
哀しかった…辛かった…。

「負けたくなんかなかった…」

 ブラックドランザー…に、負けたくなんかなかったんだ…
カイを魅了し続けた…存在に…。

「だから…悔しかった…」

 あっさりと、裏切られてしまうほど…簡単なモノだったのかと…
俺達が、築き上げてきたモノは…。

「会いたくて仕方なかったのに…」

 心配だった…会いたくて苦しかった…
会いたくて、会いたくて…俺は、会いたくて仕方なかったのに…。

「なんでだよぉ〜」

 口で言うほど、本当は冷たくなくて…優しいと言うことも、一緒にいてはじめて気付いた。

「なん…で…」

 涙声になってくる…
俺にとって、大切な存在だったのに…。

「…な…のに…」

 どうして、離れて言っちゃうんだよ!!
相談もなしに…いきなり…。

「そん…な…に……」

 俺は、お前にとって、取るに足りない存在でしかなかったのか?
いくらでも、代わりのきくモノでしかなかったのか?

「一緒に…」

 一緒に戦ってきた、その積み重ねさえ…
お前の心には、何にも響かなかったのかよ!!

「いる…こと…が……」

 意味がなかったのか?
仲間が、力になるって事も…わかってただろ…ベイブレードは一人の強さだけじゃないんだって。

「必要…ないかった…のか……」

 俺は…必要なかった?
何の価値もなく、ただ、チームを組まされたから一緒にいただけ?

「なぁ…」

 俺には、何が本当かわからない…
お前は、どれだけのモノを引き替えにするほど…強くなりたかったんだ…?

「教えてくれよ…」

 好きだから…気持ち伝えず…全て終わってしまうことには耐えられないんだ…。
口にしたことはなかった…でも、大好きだった…
側にいられれば、気持ちが伝わらなくても…幸せだった…辛くないわけではなかったけど
あいつは、ちゃんと俺を見てくれたから…。

「俺は…」

 一緒にいたかった、側にいたかった…それだけ叶えばいいと思ってた…。

「俺は…」

 俺は…俺は…俺は…俺は……

「俺は……ずっと、一緒に……」

 お前の隣に…。

「お前の隣に…いたかったんだ……」

ただ、それだけ…それだけだったんだ…。

願うのは…

当たり前のように側にいられることだけ

好きになって欲しいとか…

そんなこと願ったりしないから

俺から奪っていかないで

お願い…

今すぐお前に会いたい…

会いたいよ

大好き

「カイ」

お前に会いたい

END

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10月22日…のアニメを見て…思ったこと…
散文のような、SS…です。
暗い…暗いすぎるほど、しかも、たぶん…アニメの続きと合わないんで

ではでは。

 

 

 

 

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