SONG SINGeR
♪俺が願うのは そう
ただ あたりまえのよに
貴方が側にいてくれること…♪
街角を当たり前のよう流れていくLove Song…
寄り添う恋人達を少しだけ妬ましく思うと一緒に、胸が痛くなって…哀しくなるのは何故かな?
「うぅ、さびぃ〜」
勢いよく落ち葉を巻き上げて、吹いていく秋風。
その寒さに、身を震わせる。
「うわぁ、なんか…泣けてきちまいそう」
感傷にひかれてじわりと滲んだ涙を、零したりしないように…青い青い、空を見上げた。
些細なことだった、ちょっと我が儘を言ってしまっただけ…
言葉の足りないあいつ…俺だって、不安になることはあるのに
素直じゃない俺達は、こういうすれ違いを何度も繰り返してきたけど。
いつだって、口で言うほど平気なんかじゃない。
「カイの馬鹿ぁ〜」
小さく口の中で呟いてみるけど、よけい哀しくなって…涙がこぼれ落ちそうになって
ますます、視界が歪んで…。
♪答えのだし方忘れた 俺に
いったい何が わかるんだろう
答えだせずにただ がむしゃらに
何が俺の心を 彷わせてるんだろう♪
動きたくなくなって、その場に座り込みそうになる身体にむち打って…ベンチまで、一歩一歩歩く。
ドスンッ…
一気に力が抜けるように、ベンチに腰を下ろした。
人が通り行く、街並み…ベンチに座る俺…一人だけ取り残されたような空間で
ただ、人波を眺めていた…。
ぼやけた視界に、走る人の姿が映る…それは、カイでひどくあわてているように
回りをみわたしながら…大通りを走り抜けていく…
タカオに、気付かないまま…
走って…行ってしまう…
気付いて…俺に、気付いて…
行かないで…側にいて…お願い…。
カ…ィ…カ…イ…
♪愛しちゃ駄目なのか?
愛される価値のないモノが
貴方を愛する事は愚かな事?
愛を知らない事はいけない?♪
「カイー!!!」
♪愛されることを願うのは愚か?
諦めなければいけないのかな?♪
この心に、染みついたあの人の存在…
ただ、あの人が俺がここにいるとわかってくれるように
叫んだ…あの人の名を。
声にきづいたように、あの人は振り返った…
「!?…木ノ宮」
驚いて、そして…あの人には珍しく、安心したように微笑んだ。
「カイィ…」
駆け寄って、抱きついて…嗚咽を漏らした…。
「木ノ宮…」
優しく、抱きしめて…あやすように、背中を叩いてやる…。
「うぅ…カイ…」
ぎゅって、しがみついて…コートに、皺の跡が出来るくらい…
止まらない、涙を…カイが、優しく拭ってくれる…。
♪僕の頬を 涙で濡らすのも君ならば
この涙を 止められるのも君だけで
俺に気付いて 微笑んで♪
いまなら、素直になれる…伝えそこねた気持ちを…。
「すまなかった…」
不安と縁もゆかりもないような、存在だと思っていたから…当たり前のように、俺の側にいてくれたから
俺が、不安にならない分だけ、お前が優しくしていたのだと言うことに…。
「ぅん…俺、寂しかった…」
まるで、俺だけが好きなようで…不安で、寂しくてしかたなかった…。
愛していると、好きだと、言って欲しい時もある…。
「お前が、飛び出していってから…俺は、怖かった…」
なくしてしまうと、失ってしまうと…俺は、お前がそばを離れてしまうまで
気づけなかった…。
お前が、当たり前に全てを俺に与えてくれていたから。
「うん…」
冷えた心が温まるように、カイの本音が心に染みてくる…。
ぐいって、涙を袖で拭って…にっこり、笑った…。
「本当に…」
すまなかったと、言いかければ…タカオの止められて。
「悪いと思ってるならさ…この今、流れてる歌を歌ってよ…サビだけで良いから」
縋るような目で、見上げれば…ちょっと、困った顔。
「…わかった」
それで、タカオの気が済むのなら…ストリートライブだろうが…
なんでも、する。
♪ラ〜ラララ〜ラ〜ララ〜ラ〜♪
「♪君の笑顔を 守れるのなら俺はなんでもしよう
ありきたりな 愛の言葉を並べるのは苦手だけど
ただ 君の側にずっといることだけは
けして 変わることのない真実だから
ルールルールルルールールールルールルルー
ここは 二人だけ ラブ・ラビリンス♪」
瞬間、拍手に…赤面のカイと嬉しそうなタカオ…
言ってもらえない言葉、言って欲しい言葉…小さな幸せ。
カイはいつも通り、先に歩きかけて…振り返って、タカオの手を握りしめた。
タカオは驚いて、それから微笑んだ。
暖かい手にもう寒さは感じない…。
そして、ざわめく街並みに二人は姿を消していった…。
Love Songの題名は「ラブ・ラビリンス」
恋は迷宮…
End .
2222HITゲッターの晃様リクエスト…
カイタカの切ない系…クリアー出来たのか、わかりませんが…ι
ど、努力はしました…はい、一応…
こんな物で宜しければ、もらってやってくださいませ。
SEO | [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送 | ||