天使はどこへ消えた

 天使かと思った、いや、実際天使だったのだけども…

オレンジ色の太陽みたいな髪に強く輝く琥珀色の瞳は煌めいて凄く綺麗で目を奪われる

でも、何よりも、その心の輝きが俺を惹きつけてやまない

「タケル」

 名前を呼んで、呼び止めれば笑顔で振り返るんだ。

「どうかしたのか、アズール」

 その白い翼だけが、天使だという証拠でそれ以外は特別というわけではないし天使か悪魔しか居ないのだ

その白い翼でさえ特別なわけではない。

「…海へ、行かないか?」

 何となく、海へ行こうと誘った……。

天使とか、悪魔とか関係ないかもしれないでも………もうすぐ、離ればなれになるような気がするから。

「海?うん、いこ〜ぜ」

 こんなに天気がいいもんな、そういってタケルは笑う…。

「じゃぁ、いくか」

 俺も、小さく笑う…タケルに、出会う前はこんな風に笑うことはなかった。

               *             *               *

 マリンブルーの海、目に映るのは一面の青、海に空遠い遠い水平線。

「やっぱ、海ってスッゲー綺麗だよな」

 言うのが早いか、海へ駆け出し始めるタケル。

「おい、転けるなよ…」

 言ったとたん、波に足を取られて転けるタケル…。

「っいってーーー」

 あわてて俺は、駆け寄った。

「お、おい、大丈夫なのか、タケル?」

 抱き起こしにかかると、思いっきり腕を引っ張られた…。

「え、うわ!おい!」

 バシャン…

激しい水音がしたと思うと、俺自身も思いっきり海に転けていた…性格には、転けさせられた。

「あははは…」

 タケルは、俺をさして大笑いした。

「あのなぁ〜」

 怒る気も失せて、仕方ないとでもいうように苦笑を零す。

「わるぃわるぃ」

 それでも、笑いを堪えながらタケルはいった。

「いつまでも、子供だな」

 意趣返しとばかりに、お子様扱いしてみる。

「なんだよ〜」

 アズールだって、かわんないじゃんなんて…頬を膨らませる。
それにつられるように、俺は笑った。

「む〜」

 ますますむくれる、タケルに…頬をつつく。

「ちぇっ」

 すねたように、舌打ちして…それでも結局、ひまわりのような笑顔で笑うんだ。

「嘘だ…」

 今更撤回しても、あんまり関係ないけど…何となく言ってみる。
そうすると、ますます君の笑みが深くなるから。

「も、いいよっ!」

 今更、気にしたりしないって。
くししって、また笑う。

「悪かったな…」

 俺も、笑う。
心から、天使も悪魔のことも忘れて…君の為だけに笑う。

「なぁ…」

 このまま、二人だけでいられないかなぁ?
…やっぱ、無理だよなぁ…俺は、天使でお前は悪魔だしなぁ…
これだけは、変えられないもんな。

「あぁ…」

 遺伝子は、近しいみたいだけどな。
お前と出会うのは、俺でなかったかもしれなかった…だから、たとえ仕組まれた運命だったとしても…良かったとさえ思える
俺が星悪魔でなければ、お前と出会うことはなかった。

「そだな、うん!そう考えればいっか〜」

 楽天的な考え方、でもそれがタケルらしい。

今は…今だけは…
俺は星天使じゃないんだ…天使も悪魔もなく…

だから、今はア−ズル…お前は、俺だけの悪魔だよ…。

他の誰かに決められることなんか、関係ないよ…俺達が、俺達である限り
心までは、離れていったりしないから。

「そうだな…」

 …わかるから微笑める。

天使は、どこかへ消えた悪魔もどこかへ消えた
ここにあるのは、俺だけの天使。

「タケル、愛してる…」

 誰に憚られることもなく。

「好きだよ、アズール」

 今だけは、言える言葉。



天使はどこに消えた?

天使はここにいる

悪魔はどこへ行った?

悪魔もここにいる

いつもここにいる

俺達は離れたりしないよ

ねぇ ずっと側にいような



これからも…



しかし、その願いもアズールが冥王アズールとなりタケルが星騎使タケルになり

戦いが終わりを告げたとき…

けして 叶うことのないモノとなった

『俺は…無限フィールドへ帰る』

『なんでだよ!』

『お前は、未来…俺は、俺は、過去の存在でしかない…だから…だから…』

『アズール!!』

『行かなくては』

『アズールだけ、なんでなんだよ』

『泣かないでくれ』

『…一緒にいたいんだ』

『心は、いつでもお前の側に…あるから…』

『あぁ、俺の心もお前とともに…』



心だけでも側に、それは叶わぬ願いだろうか?

いつでも、二人でいられたらそれだけで



『さよならは言わないからな、絶対、また!!』

『あぁ、またな…』



俺達は幸せだったよ…

END


 今更、書くものでもないかもしれないですが…アズタケです…もはや、趣味です趣味!!
好きだから、書いているのです…もう、それしかないです…。

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