春風が吹く、桜並木広がる…春の道。
澄んだ青い空に、紅く染まった木々達…薄化粧にはらりはらりと舞う姿は美しく桜の散りざまはなによりも
綺麗で…空が埋まるほどの薄紅の花弁、サクラサクラサクラ…桜色。

「すっげぇ〜」

　思わず駆け足になって、桜の海の中にかけていく。

「おいおい、タカオあんまり慌てると転けるぞ」

　レイの、苦笑が零れる注意もそこそこに目の前の桜に瞳を惹かれる。

「桜…綺麗だよな…」

　いきなり振り返ったタカオの顔には、笑みがあってその笑顔の方が何倍も綺麗で
口をついて、勝手に言葉が零れた。

「綺麗だ…」

　タカオは、笑って。

「レイも、やっぱそう思うんだ」

　桜は、綺麗だと思う…花見が、こんなに気持ちよく思うのは…レイが居るからかもしれないけど。

「…あぁ、そうだな」

　レイは、少し笑みを零して深く頷いてまた桜を見つめた。

「レイ…」

　ぎゅって、腕を組んで桜の舞い散る路をレイはタカオに引きずられるように歩き出した
少し戸惑うように、視線を彷徨わせた。

「タ、タカオ…ι」

　少し、照れを交えながらタカオの名前を呼んだ。

「あ〜！！」

　いきなり、タカオが大きな声を出して指さした。

　それは、祭りの時などによくある…いわゆる、屋台ってやつである。

　チョコバナナ、りんご飴、金魚すくい、どれもこれも定番モノばかりでいかにもって感じだが
タカオが、凄く楽しそうに笑ってあちこちに目移りさせている。

「なぁなぁ、あれ買ってくれよvv」

　そう言って指さしたモノは、袋にアニメのキャラやらのイラストがプリントされている代物が並べられている
その中には、甘い甘い砂糖で出来た綿。

「…わたあめが、欲しいのか？」

　キラキラと瞳を輝かせて、タカオはレイに強請った。

「うん、俺、綿飴好きなんだよ〜」

「おじさん、綿飴一つ」

　チャリンチャリン…

お金を渡して、綿飴を受け取った。

「ほら、タカオ…」

　レイは、優しく微笑んでタカオに綿飴を手渡した。

「あ、ありがとう、レイ」

　タカオはにっこりと、嬉しそうに満面の笑みを浮かべた。

　ウロウロと、屋台を歩き回っていたら少し小高い丘のような所にでて桜の大木の木下に二人で佇んでいた
もう、夜に近くて空は闇色。

「うまいか？」

　子供は、よく好きだと言うが…砂糖の塊にしか見えなくて、いままで食べたことがなかった
それを、おいしそうにタカオが食べるモノだから興味を引かれて思わずそんなことを言った。

「ん、おいしいよ」

　食ってみる？

と、でも言うように綿飴をちぎって口元に差し出してきた。

「あまい…」

　舌に、触れるとふわりと溶けて甘い味が口内へ広がり綺麗に舐め取ろうとして
ザラリとした舌がタカオの指先をなぞった。

「んっ」

　その感触に、小さく声を漏らした。

「レイ…」

　その声に引き寄せられるように、見つめ合って…柔らかく唇が触れて、甘い綿飴の味が
じわりと、広がる…触れただけの唇を、舌で柔らかくなぞって離れる。

「ん…はぁ…」

「タカオ…」

　甘い吐息が零れる、今度はその吐息さえ奪うようにその深く口付けた。

「…ん…レ…イ……」

　夜が濃くなって、きっと普通の恋人同士に見えるような状態。

昼は、きっと友達同士にしか見られないけど…それでも、確かな形が欲しくなるときもあって
だから、夜のデートってのは以外と誰も見てなくて安全だから幸せを感じられたりする。

「…だぁいすきｖ」

　素直に言えても、人前じゃ言えなくて…だから、こういうときに偏ってしまうけど
でも、好きだからその気持ちだけは偽りたくなくてデートの時はいつも言うんだ…気持ちを込めて…。

レイが…大好きだから…。

「タカオ…我愛称…」

　そう言って、優しく抱きしめる。

『俺は、タカオを愛している』

　それ以上の言葉は要らなくて、ただ形確かめるように抱きしめあう。

サクラの海　薄紅色の春の中

まだ　淡い形でしかないけど

確かに　ここにあるモノ

お互いを想う

『ココロ』

俺は…

レイを
タカオを

何よりも…誰よりも…


愛してるのだから



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　エンド

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星丘龍騎様へ、４９００ヒットのキリリクでレイ×タカオでデートしてる所なんですが…
いまいち、デートじゃなかったようでιιιあははι（爆）
まあ、最初紅葉だったのが桜になっただけでもましかなぁ〜とか、思ってる俺はダメダメですがι
とにかく、ラブラブちっくに書いてみたんですけど…どうでしょう？
だいたい、デートってどういうモノを言うんでしょう？いまいち、わからなかったりι
頑張ったんで、とりあえず受け取ってくださいι