君は僕の全て
唇に触れるだけの、優しいキスを送る…。
「…なんで」
「なんでって、なんでかって?そんなこと、決まってるだろもう俺の魂はお前に毒されてる
俺に乗り換えろあいつはいつか帰っていくんだ俺ならずっといてやれる…」
抱きしめる、離してなんかやらないと…強く、力を入れて抱きしめる。
愛してる、お前が俺を愛さなくても…俺は、お前を愛してるからあいつの代わりでもいいから。
「そんなこと、出来ないだろ…」
誰かの代わりなんて、残酷なことだ…好きなら、尚更辛いことなのに。
なんで、そういうこというんだ押しつけだけなら突っぱねられたのに
そんな泣きそうな顔で、自分の心を傷つけるなよ。
「出来る…」
耳元に、低く囁く。
「…カイ」
そんなの、卑怯だろ…今は俺の方が誰かに縋り付きたいくらいなのに
振り払えないような声で抱きしめるなよ…。
こんな所から始めた関係は、おかしいだろ…お前なら、本当は分かってるんだろ…カイ
やめろよ…俺が、お前の言葉に縋り付いてしまう前に…。
「木ノ宮、愛してる…」
お前が望まなくても、俺は何度でも言う…。
「駄目だろ…」
こんなんじゃ、駄目なんだよ、こんな風に始めた関係では終わりは見えてる…それに、俺は…
カイを愛してない…。
「あいつのこと、愛してていい…代わりでいい…」
俺は、それでも構わない…お前が、俺のことを愛してなくても。
「お前が、側にいてくれれば…」
ただそれだけが、俺の望み…。
「代わりなんかじゃ、駄目だ…そんなんじゃ、駄目だろ!」
なんで、いいんだよ…代わりなんて、苦しいじゃないか…辛いじゃないか、なんでそれでいいなんて言うんだよ…
どうしたらいいかなんて、わかってないけど…駄目だって思う。
「俺がいいと言ってるんだ、利用すればいい」
レイが居なくなって、あいた穴を俺で代わりに埋めればいい塞げなくても…心に吹く冷たい風を少しくらいなら
暖めてやれるだろ。
「そんなの…」
駄目だ…。
「否定はいい…はっきりしろ!!」
これで、ふられたなら…いっそ、諦めがつく。
カイをふる カイに慰めてもらう
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