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―放たれたる闇の翼― ―輝ける朱き翼―The not drakness a wing in
freed― |
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歯を食いしばって『一人にしてくれ…』そう言って…
タカオ達の元を離れて一人で居るのに…。
ドカッ…拳で、壁を殴りつける…激しく打ち付けて…
それでも、この苛立ちを…止められない…。
負けた…ドランザーは、あれで完全のはずだ…
あれ以上、どうしようもない…だが、勝てない…
勝ちたい…。
「ドランザーの限界…」
力の差がありすぎる…あのままじゃ、勝てない…。
「カイ…」
「貴様…俺を、嘲笑しに来たのか…」
俺を…ボーグに放り込み…
道具としようとした…こいつだけは、許せない…。
「いや、お前を、助けに来た…」
助けにだと…笑わせる…。
「ははははは…笑わせるな、助けるだと」
貴様が、全ての根元…。
「これを使え…」
差しだされた、ブラックドランザー黒朱雀…
捨てたはずの…二度とつかうまいとおもった…
俺の求めいた力…。
「ブラックドランザー…」
はじめて見たときに魅せられた…
黒く煌めく翼…。
「お前は、わかっているのだろう…これを使えば、勝てると…」
あぁそうだ…あの力さえあれば、勝てる…
シーボーグをセルゲーを倒すことが出来る…。
「あたらしい技術で、なおしたモノだ…」
勝てる…だが、勝つだけでは駄目だ…。
「また、貴様の道具になるのはごめんだ…」
そうだ、二度と…黒朱雀は使わない…。
「わしにとっては、あいつらだろうとお前だろうと…
どちらが勝ってもかまわんのだ…」
そういって、あいつは極悪な笑みを浮かべて…言う。
「…」
「そのかわり、お前が仲間の聖獣を奪え…仲間を、裏切れ…」
「お前も、火渡の血が流れているのだ…できるはずだ…」
あぁ、憎んでも憎み切れぬほどの…この男の血が自分にも流れている…
どす黒い…血が…。
「………」
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「カイが、心配なんだ…」
一人にしてくれっていってたけど…一人にしたら駄目な気がする…
辛いときは、本当は一人で居たくないときなんだ…。
でも、辛い顔を見せたくないから…一人で居るだけ。
「俺は…」
カイが、俺を必要としていなくても…側にいたいから…。
「タカオ…」
レイだって、キョウジュだって…マックスだって…カイのこと心配だろうけど
でも、だけど…俺は…。
「…カイ…」
火渡会長…カイの忌まわしい過去を作り上げた張本人…
カイ…。
「なんで…」
なんで、あいつと話してるんだよ…どうして、俺じゃないんだろう…。
「まてよ、カイ…」
きらりと光るビット…それは、見覚えがあった…黒いベイに闇の翼をもった
黒朱雀…ブラックドランザー。
「はなせ…」
低く呟かれた声…それは、強さしか見えなくなっていた頃のカイの声に聞こえて
冷たくて…怖かった。
「カイ…」
強さしか見えない、真っ暗な瞳のカイにはもう…なって欲しくなかった…
でも、どうしようもない…。
でも、きっと…大丈夫…だって…
カイは、自分で戻ってきたんだ…二度と、ボーグになったり…俺から、離れていくことなんて…
ないって、信じてたいんだ…。
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「駄目だ、カイー…」
そんなことば聞こえたけど、俺は…大丈夫だと心の中で応えた…。
「ドランザー」
俺は、貴様の道具じゃない…たとえ負けても…仲間とともに戦う。
昔の俺だったら、道具になっていたかもしれない…それでも、勝つことにこだわっていたと思う…。
「カイ!」
「俺は、貴様の道具じゃない…」
いまここで、俺はあいつの道具じゃなくなった…。
「カイ、俺達がついてるからな…」
タカオの声が聞こえる…
瞳を閉じて開く…
俺は変わった…あのころの俺とは違う…今の俺には仲間が居る…!!
「フレイムセイバー!!」
朱雀が、ドランザーが赤く煌めいて…仲間を信じる力…俺達のBBAの…力。
あいつらは、笑って…
「カイが、俺達と同じ気持ちで戦ってくれた…それでけで充分だ」
そう言った…。
まけちまったが、だが、悔いてはいない…。
「レイ、次は必ず勝たなければなりません…頑張ってくださいね…」
タカオもレイもマックスもキョウジュも笑った…
俺も笑った…全てから解き放たれて…。
闇色の翼は
朱色に…煌めいて…
汚れもなく輝いて…
もう
闇に堕ちることは
けして
ないのだと…笑った…
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シリーズに入れていいか、微妙なんですけどι
なんとなく、追加っぽく?12月3日の48話くらいでしょうか?
結構、今回のアニメ期待をかけてたんですが…
ダーク展開にはなりませんでしたねι
少々、残念でありませんが…幸せであれば満足ですね。
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