「朱雀が泣いてる…あれは、朱雀の涙だ!!」
「そして、俺達の涙だ…」
ベイを囲むように、小さく飛び散る輝き…。
「お前が捨てた朱雀だ…こいつも、お前を倒したいって言ってる!」
ブラックドランザーは、最強のベイのはずだ…
それが、何故勝てない…。
「ブラックドランザー、なにをしている!!」
勝てるはずだ、いや、負けるなどあり得ない。
「お前は、勝てない…」
「今、独りぼっちのお前は、俺達に勝てない…」
勝てない?全てを、引き替えにして手に入れたこの強さが負けるのか?
「いっけー、ドラグーン」
「ドライガー」
「守れ、ドラシエル」
「これが、仲間の力だ…」
光輝く…
負けた…負けただと…
ブラックドランザーが黒朱雀が…ドランザーに朱雀に負けただと…
「何故だ…」
何故だ、何故だ、何故だ…
ブラックドランザーは、最強のベイのはずだ…。
仲間の力…
それが、必要だったのか…
ボーグの力…最強のベイ…
それさえあれば、負けないと思っていた…
確かに、木ノ宮を倒した…だが…
俺は…
俺は…あいつらに負けた…
何故だ…何故だ…何故だ…
ガタン…
「手を延ばせ…カイ!」
「何故だ、お前を裏切った俺を…助けるというのか?」
理解できなかった、いつもそうだ…
こいつは、いつだって…ただ、側で笑っていた。
「だって、仲間だろ…仲間が、ピンチの時に助けないなんて出来ないさ」
「喧嘩することもある…」
「でも、すぐに仲直りネ」
…
…
「お前達…」
「ほら、手をのばせって!!」
差し出される手、木ノ宮の強さ…
闇に射し込む光…
「あぁ…」
つかみ取られる手…。
バシャン…
氷が、水に沈んだ…バイカル湖の氷が割れて沈んだ。
「カイ…」
そういって、木ノ宮は笑った…
「いっしょに、帰ろうぜ…」
そう言って、あいつは…いつだって笑う。
「…」
それでも俺は、背を向けて…
「俺には、まだすることがある…」
まだ、あの暖かい場所に帰ることは出来ない…
裏切った俺を、それでも、笑顔で迎えてくれる、あいつ。
「忘れ物だ…」
そう言って、投げられたドランザーを受け取って…
俺は、口元に笑みを浮かべた…。
本当に必要だった物は…すぐ側にあったのに…
俺が気づけなかっただけで…
今はただ、前だけ見つめて…進む。
でも、必ずここへ帰ってくる…
ドランザー、この朱雀とともに…
ここに 戻ってくる…
本当に欲しいモノはすぐ側にあったから
エンド
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
こんかいは、ちょっと明るめでvv
で、カイ様バージョンとでも言う物でしょうか…?
えぇ、落ち込みから復活です左丞は♪
|