ワームホール?

「うわぁーーーーーっ!」

 突如、上空にぽっかりと空いた黒い穴から、ポトンと橙と蒼い色をした物体が2つ落ちてきた
凄いスピードで落下して、木に追突した。

「痛てぇっ」

 ゴツンと、凄まじい音がしてタケルの声がした。

「おい、大丈夫だったか?」

「あ、ずるい、自分だけ飛ぶなんて…」

 む〜、とした顔をしてタケルがアズールに不満をぶつける。

「すまん、なにしろいきなりのことだったからな」

 苦笑して、トンと、タケルの隣に降り立った。

「まぁ、いいけどな」

 ニッと、タケルは笑って、それから周り見回して考え込むように腕を組んで
困ったように眉を寄せた。

「なぁアズール、ここ、どこだと思う?」

 なんとなく、どっかの森のような気もするが…まったく、見たことのない類の樹木のような
気もして、移動時にいきなり黒い穴に飲み込まれたことを思い出した。

「…たぶん、俺達の世界じゃないだろう」

 アズールも、黒い穴に飲み込まれたことを思い出して、なんとなくだが、異世界に迷い込んだ
と、現実ではありえなさそうだが、そんなことを思った。

「じゃあ、どこだよ…」

 タケルも、なんとな〜く、わかってはいるのだが認めたくないような気分で…。

「異世…」

 言葉にする途中で突然アズールが、タケルを抱きかかえたまま木の上に飛び上がった。

「な、なんだ…」

 しっとでも言うように、アズールはタケルの唇に指をあてた。

「さぁ今日も、修行するってばよ…」

 元気の良い、金髪をした少年がアズールたちがいる木の方へ歩いてくる…
その後ろを、なんとも無口そうな黒髪の少年が歩いてくる。

「おい、ドベ…転ぶぞ」

 黒髪の少年は、そう金髪の少年に注意を促したのだがドベと言う言葉に反応したのか
金髪の少年は、振り向こうとして転けた。

 思わず、タケルは笑いそうになって…慌てて口を押さえた。

「いって〜」

「誰だっ!!」

 金髪の少年が、痛みを訴えてることを心配しながら…それでも、タケルたちの方へ
睨み付けるような目を向けた。。

「ほぁ、サスケェ、誰かいるのか?」

 金髪の少年は、青い瞳を見開いてぱちぱちと瞬きを繰り返した。

「お前には、わからんだろうが…さっき、気配がした」

「おい、さっさとでてこい」

 サスケと呼ばれた黒髪の少年は、タケルたちの方を睨み付けてクナイを強く握りしめ
今にも、投げつけてきそうなほど殺気立っている。

「…え、あ、おいアズール?」

 アズールは、木から飛び降りると着地した。

「邪魔するつもりはなかったんだが…」

 と、その言葉のところでスタンと言う音がして…オレンジ色の髪が揺れた。

「ったく、アズール…一人でおりるなよ」

 屈託のない笑顔で、タケルは笑ってそう言ってから…サスケと、金髪の少年を見て。

「えっと、俺はタケル…よろしくな」

 そういって、手を差し出した。

「へへ、タケルって言うのか…俺は、ナルト、うずまきナルト、よろしくな」

 ナルトは、そう言って差し出された手を握った。

「あ、おい…馬鹿が」

「まったく、タケルらしいな」

 旦那どうしは、まったく別の反応を示して。

「うずまき、俺は、アズールと言う」

 さすがに、アズールは手を差し出すような馬鹿をしない。

「ナルトで、いいってばよ…えっと、こいつはうちはサスケって言うんだってば」

 そう言ってサスケをさしてから、アズールにニコッとナルトは笑いかけた…
サスケと紹介された少年は、ずいっと前に歩み出てまるでナルトを庇うように。

「何、サスケ?」

 庇われた、ナルトはキョトンとしたようにサスケを見上げる。

「ふん、この辺じゃ見ない顔だが、貴様らどこから来たっ」

 鋭い視線を向けてきて、アズールを強く睨む。

「あ〜、う〜…どこからっていえばいいんだ?」

 タケルが頭をガシガシと、掻きむしるように…オレンジ色の頭を、ぼさぼさとかき回す。

「説明しても、わかるモノでもないと思うが…天使族と悪魔族などが、生活してる世界だ」

 さすがに、これには困ったように眉根を寄せてアズールは呟くように言う。

「巫山戯るなっ!!」

 シュッ―――…ッ

 空気を裂くような音がして、クナイが頬に一筋の紅い跡を付けて後ろの木に突き刺さった
殺そうと思えば殺せると言う、脅しも言外に含まれているようだった。

「い、いきなりなにするんだよ! だ、大丈夫か、アズール?」

 怒ったように声をあらげて、サスケを睨み付けると、心配そうにアズールを見つめた。

「あぁ、問題ない…まあ、いきなり信じてかかれと言う方が無茶だからな」

 アズールはそう苦笑を漏らして、タケルの労りに感謝するようにタケルを優しく抱きしめて
今度は、そっと微笑んだ。

「心配要らない、これくらいの傷舐めておけば治るからな…」

 抱きしめていた腕を解くと、優しく頭を撫でた。

「…サ、サスケ」

 ナルトは、流石に呆気にとられながらもなんとかサスケの名を呼んで。

「い、いきなり、クナイを人に向けてなげんなってばよ…危ないってばよ」

 ぐぎぃぎぃぎぃぎぃぎぃ…と、鈍い音でも立てそうな動きでサスケをゆっくりと振り向く。

「ふんっ」

 ベタベタしてるんじゃねーよ。

 と、脳味噌の中で思っていたかはいざ知らず…まるで今度は、ナルトが自分の
所有物だとでも言うように引き寄せて見せつけるように抱きしめる。

「サ、サ、サ、ササササ、サスケェ///ι」

 タケルより、そう言うスキンシップになれていないせいか顔を真っ赤にして…
逃れようとバタバタと足掻く…しかし、タケルはそんなナルトにの姿を見てキョトンとしている
いわゆる、アズールはその気でもタケルは子供のスキンシップのような感覚しかないのだ。

「まあ、何でもいいんだが…是非、ここの説明をしてもらいたいな」

 いきなり何も知らない世界に、強引に飛ばされて、疑わしいだけで身の危険が降りかかる
そんな世界に、のほほ〜んといられるヤツなんて…

 はっ、いた…

 タケルは、のほほ〜んと周りの気を眺めたり先ほど突き刺さったクナイを抜こうとしたりしている
あの、天然は一生変わらないだろうな。

「ここは、木の葉の里だってばよ」

「な、待て、馬鹿」

 サスケの腕から逃れて、顔色も元に戻ったナルトが即答する。

 そんな、敵か味方かわからん奴らに、笑顔を向けながらあっさり答えて…
忍びの自覚が足りない…先が思いやられる。

「…そうか、やはり…どうやら、異世界で間違いないようだな」

 アズールは、少し考えるような仕草を見せると、そのまま黙ってしまった。

「え、そうなのか?」

 タケルは、全く気にしていないようにそのあたりをまだ彷徨いている。

「困った事になったな…」

「いいじゃん、アズールこっちにいればずっと一緒にいられるんだろう」

 タケルが、嬉しそうに笑うのに思わず頬がゆるむ。

「お、それならこっちにいるあいだ、俺の家に泊まればいいってばよ」

 サスケが、ナルトの笑顔にむっとして…。

「俺の家には、誰も来ないから好きなだけいてもいいってばよ」

「いい、俺の家に泊めてやる…どうせ、部屋は余ってるからな」

 サスケが、唐突に苦虫を噛み潰したような声でいった。

「そうか、助かるよ」

 そう言って、タケルは笑った…。

「え? サスケってば珍しいってばよ…なぁ、なぁ、俺も一緒に泊まってもいい?」

「…あぁ」

 不承不承頷く、本当は引き離したかったのだが…折角、泊まりに来るというのを断るのは
ものずごく、残念な気がしたのだ…。

 どうせ、別の部屋に寝ればいい、部屋は沢山あるんだからな…
などと、思惑にふけっていたのを、思いっきり裏切られたのはその日の夜だった。



 どんな部屋割りで寝たかと言えば、何故か意気投合してしまったタケルとナルトが
同じ部屋で寝ると言い出して、追い出され…アズールとサスケが、一緒の部屋にされたのだが
サスケが、流石にそれは避けるようにどこか別の部屋へ行ったらしい。

 

 

不幸なのは…一体誰の事やらι

 

 

END


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キリ番をとりました。7777番です。
リクエストは小説で
「タケル達がナルト達の世界にやって来てしまうお話」
をお願いします。

できれば、アズタケ、サスナルのカップリング要素も
入れてください。お願いします。

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7777ヒットゲッターのM様のリクエストです。
上記のようなリクでしたので、頑張ってみたんですが…思ったより
時間がかかってしまって申し訳ありませんでしたm(_ _;)m

今後も、どうぞ宜しくお願いします。

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